2024年度診療報酬改定(入院)~『地域包括ケア病棟入院料』に関する改定について~

2024年度診療報酬改定に向け、中央社会保険医療協議会より「個別改定項目(その1)」(2024/1/26)及び「個別改定項目(その2)」(2024/1/31)が公表されています。

 

今回は、『地域包括ケア病棟入院料』に焦点を当て、本改定に係る主なポイントについて簡単にご紹介いたします。

----------------------------------

▼『地域包括ケア病棟入院料』の改定ポイント

【増点】

すべての区分(入院料1~4及び管理料1~4)において、40歳未満の勤務医師、事務職員等の賃上げに資する措置として1日あたり点数設定を見直す。

―賃上げ対応のため、増点が期待されます。なお、他の入院料でも同様に検討されています。

 

【厳格化】

適切な在宅復帰支援を推進する観点から、すべての区分(入院料1~4及び管理料1~4)において、入院期間に応じた評価に見直す。

―入院期間40日を境に評価(点数)が分けられ、点数設定は40日以内の期間」>41日以上の期間」となります。41日以上入院する患者について、全体の増点と41日以上入院の減点でどの程度相殺されるかは未確定な状況です。

 

【改正】

在宅医療などの実績を適切に評価する観点から、訪問看護に係る実績の基準を見直す。

―下記の通り、「在宅医療等の実績」が見直されます。訪問看護ステーションを敷地内に有することで以下⑤要件を満たしていた医療機関にとっては、影響の大きい改定といえます。

※地ケア1・3:上記「在宅医療等の実績」のうち2つ以上満たす必要有。

※地ケア2・4:「自宅等から入棟した患者割合」要件もしくは「自宅等からの緊急患者の受入れ」要件を満たすか、「在宅医療等の実績」のうち1つ以上満たす必要有。

 


【厳格化】

「在宅復帰率」や「自宅等から入棟した患者割合」等の計算の対象患者から、短期滞在手術等基本料関連の患者を除く。
―「短期滞在手術等基本料3を算定する患者」及び「短期滞在手術等基本料1の対象手術を実施した患者」が対象から除外されることとなります。

 

【厳格化】

「在宅復帰率」の計算方法を改める。

―下記の通り、「在宅等に退院するもの」の定義が見直されます。

※地ケア1・2:「在宅復帰率72.5%以上」を満たす必要有。

※地ケア3・4:「在宅復帰率70%以上」を満たす必要有。

 

【厳格化】

(許可病床200床以上の医療機関において、)在宅復帰率の基準を改める。
「一般病棟から転棟した者の割合」要件が6割未満」「●●割●●分未満」となります。これまでの改定動向を鑑みると、基準は厳格化される可能性が高いです。

 

【新設・増点】

地域包括ケア病棟における適切な在宅患者等の緊急入院の受入れを推進する観点から、在宅患者支援病床初期支援加算を見直す。

『在宅患者支援病床初期加算』「救急搬送された患者」「他施設で『救急患者連携搬送料』を算定した患者」の受入れに対する評価が新たに設定されます。

―また、「救急搬送された患者」や「他施設で『救急患者連携搬送料』を算定した患者」以外の患者の受入れも含め、既存点数(介護保険施設からの救急患者:500点、介護医療医院等から:400点)から増点される可能性が高いと思われます。

 

【新設】

介護保険施設等の入所者の病状急変時における適切な対応及び施設内における生活の継続支援を推進する観点から、当該施設の協力医療機関となっている保険医療機関が施設入所者を受け入れた場合について、新たな評価を行う。
『協力対象施設入所者入院加算(入院初日):●点(往診あり)/●点(往診なし)』が新設されます。

 

【厳格化】

入退院支援における、関係機関との連携強化等の観点から、『入退院支援加算1・2』について要件を見直す。

―地域包括ケア病棟入院料を算定する病棟(病室)を有する医療機関が『入退院支援加算1・2』を算定する場合、従来の施設基準である「連携する保健医療機関や居宅サービス事業者等の数が25以上であること」に加え、「連携する25以上の医療機関等のうち、●●以上は介護保険法に定める居宅サービス事業者や居宅介護支援事業者等であること」が要件化されることとなりました。

----------------------------------

 

2024年度診療報酬改定では、2025年問題・2040年問題を視野に入れた「地域包括ケアシステムの深化・推進のための取組」が基本的方針として掲げられており、地域包括ケアシステムの深化・推進において要ともいえる地域包括ケア病棟入院料に関する改定が多く盛り込まれています。

地域包括ケア病棟入院料を算定中(もしくは算定予定)の医療機関様におかれましては、可能な限り早期での「改定に向けた体制構築(≒基準の厳格化による影響の試算、新設される加算算定に向けた課題の整理等)」や「自院や周辺地域の状況・特性に適した病棟構成の検討」が求められます。

 

今回は、『地域包括ケア病棟入院料』に関する2024年度診療報酬改定の動向について、ご紹介いたしました。

今後も適宜、次期診療報酬改定に係る情報をお送り申し上げます。

 

※上記は、筆者の個人的な見解であり、会社を代表する意見ではないことを申し添えます。

一覧に戻る

お電話・FAXでのお問合わせ