2024年度診療報酬改定(入院) ~『重症度、医療・看護必要度』について~ 第2弾:HCU・ICU用
2024年2月14日に、厚生労働省の中央社会保険医療協議会総会で2024年度診療報酬改定の答申が行われ、具体的な点数設定など詳細項目が明らかになりました。
URL:mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000212500_00247.html
前回から「重症度、医療・看護必要度(以下、必要度)」についてご説明していますが、第2弾ではHCU・ICU用の必要度に着目していきます。
改定の主なポイントは以下のとおりです。
■ ハイケアユニット(HCU)用の必要度
【見直し】必要度の評価項目の見直し
【見直し】必要度該当患者に関する施設基準の見直し
■ 特定集中治療室(ICU)用の必要度
【厳格化】必要度Ⅱを用いた評価の要件化
【見直し】必要度の評価項目・施設基準の見直し
■HCU用の必要度に係る改定
【見直し】必要度(HCU用)評価項目の見直し
HCU用の必要度の項目について下表のとおり見直しが予定されています。
特に、「心電図モニターの管理」および「輸液ポンプの管理」が削除される点に注意が必要です。
【見直し】必要度該当患者に関する施設基準の見直し
評価項目の見直しに伴い、該当患者割合の基準が下記のとおり見直されます。
(現 行)A得点3点以上かつB得点4点以上
(改定案)以下の①と②の両方を満たしていること(B項目における評価の廃止)
① A項目のうち以下のいずれかに該当する患者の割合が一定以上であること
・「蘇生術の施行」
・「中心静脈圧測定」
・「人工呼吸器の管理」
・「輸血や血液製剤の管理」
・「肺動脈圧測定」
・「特殊な治療法等」
② A項目のうちいずれかに該当する患者割合が一定以上であること
※経過措置あり(令和6年9月30日まで)
また、新たに必要度Ⅱを用いた評価が導入される予定です。
■ICU用の必要度に係る改定
【厳格化】必要度Ⅱを用いた評価の要件化
測定に係る負担軽減および測定の適正化を推進する観点から、ICU管理料を算定するすべての治療室において、必要度Ⅱによる評価を用いることが要件(※必要度Ⅰが廃止)とされます。
なお、一定期間の経過措置が設けられる予定です。(令和6年9月30日まで)
【見直し】必要度の評価項目・施設基準の見直し
高度急性期の入院医療の必要性に応じた適切な評価を行う観点から、ICUの必要度項目および該当患者基準についても見直される予定です。変更点は以下の表のとおりです。
・「輸血ポンプ管理」の項目削除
・基準値の変更
(現行)A項目3点以上 →(改定案)A項目2点以上
また、ICUでは「SOFAスコア」を新たに導入し、「必要度」と組み合わせて患者評価を行うことにより、重篤患者受入をより適切に評価することを予定しています。
詳細はこちら:2024年度診療報酬改定 ~『特定集中治療室管理料』等の見直し~ | 株式会社麻生 病院コンサルティング事業部 (e-byoin.net)
以上、第2弾ではHCU・ICU用の『重症度、医療・看護必要度』に着目して2024年度診療報酬改定の動向についてご紹介いたしました。必要度は入院収益への影響が大きい改定項目であるため、令和6年6月1日の新評価表での測定開始に向けて早めの対策が求められます。
※上記は、筆者の個人的な見解であり、会社を代表する意見ではないことを申し添えます。