精神科病院を取り巻く経営環境の変化

これまで精神科病院は、長期入院患者を中心とした病床稼働率の維持により、安定した経営を実現してきました。
しかし近年、新薬の導入をはじめとする治療の進歩により、必ずしも入院医療を継続する必要がなくなり、外来治療や地域移行が可能となるケースが増加しています。
その結果、入院医療を必要とする患者数は減少し、従来の「病床稼働率維持」を軸とした経営モデルでは、健全経営の維持が難しい時代へと移行しています。

また政策的にも、早期退院や地域移行が強く求められており、今後は量を重視する経営から、病状や経過に応じた役割を意識した医療提供へと転換していくことが不可欠となっています。

以上のような環境変化に対応し健全経営を実現すべく、弊社がご支援させていただきます。

精神科病院に対する経営改善支援の流れ

現状分析による定量的な分析、幹部職員等へのヒアリングによる定性的な把握により、客観的な視点から病院の現状を確認し、その分析結果を踏まえて今後の取り組むべき方向性を整理・提示いたします。
その後、提示した方向性を実現するために必要な課題を現場レベルへと展開し、職員の皆様との意見交換を重ねながら、伴走型の支援を行っていきます。

STEP

01-1

現状分析

  • 外部環境分析
    人口推計や疾病推計、シェア分析等
  • 内部環境分析
    自院の設備や職員配置状況を踏まえた財務分析、稼働状況の確認 等

STEP

01-2

幹部職員等への
ヒアリング

  • 病院経営幹部の皆さまへヒアリングを実施し、数字だけではわからない定性面も踏まえて課題を整理

STEP

02

方針決定

  • ヒアリングで伺った幹部職員の考える方向性を尊重した上で、現実的かつ効率的な方向性をご提案し、幹部の皆様と議論の上、意識統一を図ります。
  • 方針A.
    診療報酬届出・算定件数の適正化

    診療報酬の届出状況を利用したベンチマーク分析等から、強化ポイントを探ります。また、各指標の妥当性・件数向上余地を探ります。

    ~実行時のポイント~

    • 見落としがちな診療報酬の届出提案
    • 注力すべき診療報酬のモニタリング
      ー入院精神療法、精神科作業療法、
      デイケア・ショートケア 等
    • 目標値の院内展開
  • 方針B.
    病棟構成の適正化

    患者層、医療従事者の体制等から算定可能な入院料や単価水準を分析します。過去の実績や地域の状況も踏まえ、入院患者数増加・単価向上の余地を検討いたします。

    ~実行時のポイント~

    • 医療計画や関係省庁への確認
    • 適切な入院料の選択
    • 達成に必要な施設基準の確認
    • 職員配置適正化(採用・離職防止・配置転換・退職不補充 等)
  • 方針C.
    病床数の削減

    地域の医療需要や政策を踏まえ、病床数を削減することも一案。「地域移行機能強化病棟入院料」の算定や補助金の活用など、適切な方法を検討いたします。

    ~実行時のポイント~

    • 適正病床数の見極め
    • 適切な削減時期の見極め
    • 地域移行機能強化病棟入院料の場合、算定に向けた稼働率の向上施策実施
    • 職員配置適正化

STEP

03

実行支援

  • 職員の皆様との意見交換を重ねながら、伴走型の実行支援を行います。
  • 幹部職員による施策実行のサポートに加え、現場職員との個別ディスカッションを通じて施策の推進を図ります。
  • また、必要に応じて病院職員で構成するワーキンググループを立ち上げ、方針決定後のスケジュール設定や課題の洗い出しをするなど、病院のスタイルに合わせた支援を実施します。

多くの場合は、短期的に対応可能な方針A+長期的な取り組みが必要な方針BまたはCについて、
同時並行で取組のご支援をいたします。

想定されるパターン

上記の方針A~Cのうち、特に十分な検討・調整が必要な方針B,Cについて、想定されるパターンの例をご紹介します。各パターンにおいて様々な懸念点(黄色枠等)が考えられますが、弊社が院内各部門にアプローチし各種調整を図りながら、健全経営の実現に向けて、伴走支援にあたらせていただきます。

方針B(病棟構成の適正化):精神療養病棟から認知症治療病棟への転換パターン

現状

  • 認知症患者が多いため病棟看護師の負担が大きく、必要数以上の看護配置を行っている。

転換後

  • 「精神療養病棟」を「認知症治療病棟」へ転換することで単価向上による増収を図る。
  • 認知症に特化した医療提供を行える。
  • 認知症患者に係る業務をA病棟(認知症治療病棟)に集約することで業務効率化を図る。
  • 転換前
  • 転換後

懸念点

  • 作業療法士の確保・業務負担増加に対応できるか。
  • 看護要員の配置は十分か。
  • 対象疾患の患者数は十分か。 等

方針B「病棟構成の適正化」には、他に以下のようなパターンも想定されます。
様々なパターンの中から、病院様の状況に沿った最適な方向性をご提案させていただきます。

  • 入院期間適正化に向けた病棟構成の変更
  • 精神病棟入院基本料の類上げ
  • 精神科急性期治療病棟への病棟転換  等

方針C(病床数の削減):「地域移行機能強化病棟入院料」の算定または補助金活用による病床削減

  • 地域によっては精神疾患に係る需要減少が非常に大きくなっており、職員体制も不足している状況です。そのため、健全経営を実現するにあたり、病床削減も視野に入れて検討する場合もあります。
  • 現時点では、下記2パターンによる削減方法が考えられます。
  • 病床削減等に係る補助金の活用

    または

    「地域移行機能強化病棟入院料」の算定

    • 補助金の支給期間が延長される確証は無い。
    • 短期で削減の必要がある場合は補助金の活用、改定状況も踏まえた長期的な削減の場合は入院料の活用となるか。
    • どちらが望ましいか、現状分析を通じて検討。

定量分析・定性分析の両面から分析し、病院様に適した方針をご提案させていただきます。
実行段階では職員の方々と連携をとりながら伴走支援させていただき、健全経営を実現いたします。

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