診療報酬請求漏れ・埋れを管理する

 診療報酬を適正に請求することは病院医事課職員の使命であろうと思われますし、医事課職員個々の意識の高さは大いにその成果に影響を及ぼすものと感じています。

 しかしながら、意識やスキルの高い医事課職員であっても、情報不足や運用の不明瞭さから請求漏れや請求埋れが発生することも少なくありません。

 算定漏れを把握するためには、カルテ等の記録物とレセプトデータを照らし合わせて調査することが最も正確な方法ですが、かなりの労力とスキルを必要とします。

 そこで、いくつかのデータを照合し、自院の請求漏れ・埋れの傾向を把握し改善に繋げる管理方法をご紹介します。

 

■救急医療管理加算2 300 加算1 900点へ

 2014年診療報酬改定から、救急医療管理加算は加算1 900点と加算2 300点の2段階となりました。加算1には対象となる入院時の状態が示されています(表1)。

 

 加算2においては「アからケまでに準ずる重篤な状態」とされていますが、病院や審査支払機関で判断基準が異なるケースもあります。また、2017105日の診療報酬調査専門組織(入院医療等の調査・評価分科会)では、加算1の算定割合が減少している資料が提示されていました(図1)。

 

 いくつかの医療機関の算定状況を拝見しますと、確かに加算2の算定が疑わしいケースがあるようでした。一方で、加算2で算定されている場合でも加算1に該当すると思われるケースが存在するのも事実です。

 例えば、加算2が算定されているケースで、入院初日に ①酸素吸入が行われている ②輸血が行われている ③点滴が2,000ccを超えている このようなケースは、医師へ「呼吸不全は該当しませんか?」 「出血性ショックは該当しませんか?」 「重篤な脱水症は該当しませんか?」と確認され、病名の追加が必要あるかを確認することで、救急医療管理加算1の算定が可能となるケースもあります。

 私どもである病院様にて調査させて頂いた結果、年間で20万点(200万円)程度の増収となったケースもあります。

 

■病院全体を巻き込んで算定漏れ・埋れをなくす

 救急医療管理加算のケースでは、医事課職員が奮闘するのみでなく、医師や看護師の協力が必要です。いつ(どのタイミングで)、だれが(担当は)、どこで(救急外来か、病棟か)、なにを(判断基準は何か)を踏まえて運用を構築する必要があると思われます。

 また、請求漏れは外来会計時や退院時に判明することが理想ですが、半期毎にDPCデータやレセプトデータ等を活用して、算定漏れ・埋れの傾向を把握し、運用の見直しや部署を超えた情報交換から、自院の診療報酬算定拡大を目指すことも大変有意義と考えます。

 今回は、救急医療管理加算をご紹介しましたが、他の項目についても分析されると算定拡大の可能性が判明するかもしれません。病院職員、委託スタッフが一体となって、自院の余力を確認されてはいかがでしょうか。

テキスト ボックス: 請求漏れや請求埋れ*
請求漏れは、実際に行われた医療行為や検査等が請求されなかったケースを、
請求埋れは、医師の記載があれば、看護師の説明があれば、など算定要件を僅かに満たしていないケースを前提に表現しています。

 

 

 

※ 上記は、筆者の個人的な見解であり、会社を代表する意見ではないことを申し添えます。

 

病院コンサルティング事業部 安永