平成28年度診療報酬改定を読む(2)~改定率~

12/21(月)に診療報酬の改定率が、厚生労働省よりプレス発表された。

改定率は、以下に示すとおり。薬価改定のマイナス分などを財源として、診療報酬本体はプラス改定になっている。

 ・ネット改定率 ▲0.84% 

 (内訳)

  ‐診療報酬本体 +0.49%
    各科改定率  (医科 +0.56% 歯科 +0.61% 調剤 +0.17%)

  ‐薬価      ▲1.22%

  ‐材料価格    ▲0.11%

 

・ネット改定率(実質) ▲1.03%

  ‐市場拡大再算定による薬価の見直し ▲0.19%を含んだ場合

 その他、改定率に含まれない適正化措置

  ・新規収載された後発医薬品の価格の引下げ

  ・長期収載品の特例的引下げの置き換え率の基準の見直し

  ・大型門前薬局等に対する評価の適正化

  ・入院医療において食事として提供される経腸栄養用製品に係る入院時食事療養費等

  ・医薬品の適正使用等の観点等からの1処方当たりの湿布薬の枚数制限、
   費用対効果の低下した歯科材料

 

薬価のマイナス改定以外も含めて2,200億円の適正化を図り、そのうち500億円を診療報酬本体に充てる。それによって、社会保障費の自然増による伸びを6,700億円から5,000億円にとどめる構図になっている。

さて、これから具体的な改定項目が出てくることになる。診療報酬本体が僅かではあるがプラス改定になったことから、どこに手厚い配分がなされるかが注目される。政策的に誘導したい部分に手厚い配分がなされると考えられるが、医療機関はその誘導に乗るべきか否か。

わが国では高齢化率の増加を背景に、医療費抑制の流れは当分の間続く。その煽りを受けて、手厚く配分された点数が後に適正化されることも予測される。

いわゆる「はしご外し」の可能性を見捉えて様子を見るか、或いは手厚く配分されるであろう領域(地域包括ケア、在宅医療など)にいち早く飛び込み、先発優位性を発揮してシェア・数量をとるか、どちらの考えも検討できる。しかし地域内での位置づけ・ポジショニングが重要視される昨今の状況からすれば、後者の選択が適切かもしれない(後に単価が低くなっても量で補う)。

いずれにしても、多くの医療機関でやりたい医療と求められる医療、その葛藤のピークが迎えられつつあり、それをどう収束させるかの回答期限も近付いてきている。

私たちの役割は、医療機関が状況分析を的確に行い、適切な回答を出すとともに、職員がベクトルを合わせて決まった方向に進み、成功する、という一連の流れをサポートすることであると考えている。

このブログでは、医療機関が「自院の今後」を考えるにあたって少しでも有用と思える情報・考え方を提供したい。

まずは、来年1・2月に出てくる診療報酬改定の内容をもとに、改定内容が医療機関に与える影響、或いは改定内容への対応方法などについて、私たちの視点から考察していきたいと考えている。

※上記は、筆者の個人的な見解であり、会社を代表する意見ではないことを申し添えます。 


 

病院コンサルティング事業部 森

 

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