Vol.25 管理職の方々の活躍に期待

労働集約型の産業は他にもありますが、病院ほど、専門資格それも多種の専門資格保有者が働いている職場は他に例を見ないと思います。
組織編制においては、部門(≒職種)毎に課(科)や部が設けられ、管理職が配置されている場合が殆どでしょうし、一部には専門資格保有者以外の方が当該部門の管理職に就いている病院もありますが、専門資格保有者が管理職に就任するのが一般的なケースだと思われます。
 そのような状況の中で、各部門の管理職は管理職としての役割を十分に果たせているのでしょうか。

昨今、管理職に求められている役割としては、

  1. プレイヤーとしての自分と、管理職としての自分とのバランス調整
  2. プレイヤー・管理職という2つの業務を行うための、効率的な時間配分
  3. 自らのレベルアップ及び、部下の育成

等が挙げられますが、人件費適正化の観点からの人員削減や、職種によっては人材不足も相まって、ギリギリの人員で業務を行っていらっしゃる病院も多いなか、以下のような状況に陥っているケースが多々見受けられます。(勿論、管理業務のみに専念出来る立場の方々を含め、十分に管理職の役割を果たせている方もいらっしゃるでしょうが)

  1. プレイングマネージャーとして自身でもスタッフと同様の日常業務をしつつ、管理職としての業務を行わないといけない(実際大変だと思います)
  2. 自部門の業務だけを考えても時間が足りない状況なのに、病院の経営にまで考えが及ばない(科部長会議、幹部会議等に出席していても日常業務・自部門のことが気になって仕方がない等)
  3. 部下の指導・育成が管理職の役割だと分かっていても、つい自分でやったほうが早いし正確に出来ることから、仕事を抱えこんで業務に追われてしまい、結果として部下も中々育たない

 病院の経営環境が日々深刻化している中、皆様の病院でも幹部を中心に経営改善に向けた取組みを行っていらっしゃると思います。
 公立病院改革ガイドラインのポイントでも、「病院事業の経営改革に強い意識を持ち、経営感覚に富む人材を幹部に登用(外部からの登用も含む)することが肝 要である」と記載されているように、幹部が先頭にたった経営改善、意識改革の実践が重要なのは言うまでもない事ですが、プレイングマネージャーとして病院運営の中枢を担っている管理職の方々が、以下のような意識を持ち、業務に取組んでいかれれば、幹部が中心となって行っておられる経営改善、意識改革がより 実現性を持ったものとなってくるでしょうし、職員の労働環境改善という視点からも職員満足度の向上に繋がっていくと思われます。

  1. 管理職として求められる要件やコツを修得するよう心掛けると共に、管理職としての自分の時間を意識的に持つようにする(プレイヤーとしての自分と管理職としての自分を意識的に切替えるよう努める等)
  2. 時間配分に対する考え方を変えてみる(よく言われるように、1週間は7日間しかないと考えるのではなく、168時間あると考える等)
  3. 部下の指導法を自ら学ぶように心掛けると共に、部下の目線で指導するように努める(部下も自分と同じように出来て当然と思わない等)

 プレイヤーとしては一流の管理職の方々が、病院の方針・戦略を汲み取った上で、管理職としての役割認識を強く持ち、プレイヤー・管理職の各業務のバランスを取りながら、現場の最前線で働いている部下の育成に取組んでいかれれば、経営改善の実現性はもっと高まっていくはずです。

 病院の経営改善を支援させていただいている私どもと致しましても、その実現のために、管理職の方々のご活躍には強く期待しています。