Vol.21 病院薬剤師に期待される役割

病院薬剤師の業務は、調剤業務・ミキシング等製剤業務・服薬指導・薬剤情報提供(DI)業務・医薬品受発注・在庫管理・治験業務など多岐にわたっています。近年では、チーム医療の進展やジェネリック医薬品の普及拡大を受け、薬のプロフェッショナルとしての病院薬剤師の活躍の場はますます広がりを見せてい ます。例えばチーム医療の一環であるNST(栄養サポートチーム)は現在、病気の早期回復や入院生活の向上を目指し急速に拡大していますが、ここでも病院 薬剤師は栄養輸液等による栄養補給を検討したり、栄養士と連携して薬品と食物の副作用の確認を行なったりとNSTの一員としてチーム医療に貢献しています。

 

しかしながらこれまでの病院薬剤師の業務を振り返ってみると、医師の処方箋に基づいた調剤というどちらかと言えば受動的な業務が中心であり、病棟においての服薬指導や薬剤情報提供といった業務は時間的制約もあり十分に行なわれていなかったのが現実ではなかったでしょうか。調剤業務が重要な業務であることは改めて述べるまでもありませんが、医療事故防止など安全管理が重視される昨今、リスクマネジメントの観点からも服薬指導や薬剤情報提供は必要不可欠な業務であり、その意義は大きいのではないでしょうか。

 

内科的治療領域の拡大、化学療法などの抗がん剤治療の普及、院外処方への移行などから、病院薬剤師を取巻く環境は大きく変化しています。また医療の高度化 や病院の機能分化を背景とした、がん・糖尿病・救急・感染症・緩和ケア等の専門薬剤師認定制度の創設、より広範な専門知識習得を目指した薬学教育6年制のスタートなど病院薬剤師への期待はこれまで以上に増すことでしょう。こうしたなか病院薬剤師には今一度業務の見直しを行ない、これまで以上に能動的な姿 勢、つまりは臨床の場(病棟)への積極的な参加が求められます。