Vol.11 改定の影響と対策

平成18年4月の診療報酬改定から、はや4ヶ月が過ぎました。今回の改定では入院基本料の見直しなどを中心に-3.16%という過去最大の引き下げが行わ れたため、各医療機関においてはこれからの経営基盤を揺るがしかねない厳しい状況になっており、急性期、慢性期ともに抜本的な経営改革を余儀なくされております。その中でも今回は入院料について触れていきたいと思います。

 

先ず一般病棟ですが、入院基本料の再編により看護配置の大幅な見直しが行われ、全体的に入院基本料は引き下げられ、加えて今まで算定していた紹介率を要件とする入院加算の廃止や食事療養費の見直しなどで多くの急性期病院が減収を避けられなかったと思います。一方で更に高い配置基準として「7:1」看護配置(従来の看護配置基準に換算した場合の1.4:1)が新設されました。
次に療養病棟については、7月1日から始まった医療区分・ADL区分に分けられた包括支払い制により、医療必要度の高い患者割合を増やす体制が整備できない場合、経営が厳しくなることが予想され、厚労省の思惑どおりにいけば多くの医療機関において、現在38万床ある療養病床を2011年末までに23万床減の15万床に削減され、残りは「介護老人保健施設」や「有料老人ホーム」などへの転換、あるいは廃院となりうる状況も考えられます。
このような厳しいマイナス改定において、各医療機関はどのような対策・手段を講じていかなければならないのでしょうか。
急性期病院では、上記の改定影響から看護配置や夜勤体制を見直し、更に高い看護配置基準に目標を置き、現在「10:1入院基本料2」を算定している場合 は、在院日数短縮や看護配置を整備していく上で、新設された「7:1入院基本料1」の算定なども視野に入れる必要があります。しかし、より手厚い看護をめざした改定であるため看護職員の増員が必要となり、看護師確保が従来以上に厳しくなることも想定されます。
大きな転換を余儀なくされた慢性期病院でも、「医療必要の高い患者を確保するための医療体制整備」、「回復期リハビリテーション病棟入院料の算定」などを 検討し、このような体制が整備できない場合は、「介護施設への転換を視野に入れた「移行準備病棟」の検討」が必要になります。
また今後も益々増収が厳しくなると予想されるため、今回の改定による対策とは別な取り組みとして、生産性向上を目的とした目標管理制度の導入やコスト削減も更に重要になり、特に問題が多いと思われる委託費や材料費の見直しなど、経営の健全化を図る必要があると思われます。

 

最後に今回の改定では収益だけの問題ではなく、機能や特性を生かした機能分担による本当の意味での「地域連携」がポイントになっています。地域医療における自院のポジショニングを確立し、他医療機関と機能分担で連携した診療を行うことが重要になります。